Gruene Woche 2011 家畜とショーイベント編

さて、今回は世界最大の農業メッセ「Grüne Woche」報告の続き。
前回の報告「会場編」はこちらから→ ( ̄□ ̄;)
広いメッセ会場の一部には動物展示用のホールがある。
ここで毎年ドッグショーが行われたり、またGrüne Wocheでも家畜の展示と、そしてイベントのためのアリーナが設置され、私達の行ったこの日、そこでは牛の品評会と馬のイベントが催されていた。
DSC_5552
繁殖組合の展示は無角ヘレフォード種牡。
WARGOL君、1420kgとな。
DSC_5554
その隣には取り巻きの乳牛達。
特設牛舎は現場と同じ作りが再現されている。
Grüne Wocheはそもそも農業メッセだが、農業関係者達だけが対象なのではなく、一般消費者への農業の啓蒙活動としても大事な場である。
牛・豚・馬・羊・ロバ・家禽などあらゆる家畜が会場内に現場と同様に再現された畜舎で展示され、来場者がこれらの動物を直接目にすることでまさにメッセは「from stable to table(畜舎から食卓まで)」を啓蒙している。
乳牛はもちろん朝晩会場で乳も搾られ、それぞれの動物の説明などは専門繁殖家達が対応をしている。(そもそも展示してあるブース自体が繁殖協会などのものだし)
しかもこれらの動物は「メッセのための展示」としてそこにいるわけだから、展示中の動物達が虐待されたり負担がかからないよう、ウェルフェアの面も動物保護団体によってチェックされ、後日厳しい評価とともに公表されるのである。
さて、となりのホールの特設アリーナではドイツ産のUckermärkerというマイナー品種の品評会が催されていた。
DSC_5557
Uckermärkerはフレックフィーとシャロレーを掛け合わせて作られた、ブランデンブルグ州とメックレンブルグ-フォアポメルン州で飼われている肉牛品種。
小振りだけれど、性格がよく環境変化への適応能力も高い上、出荷時の肉比率が高いと評判の品種だ。
DSC_5558
デモンストレーションなんかじゃなくて、本当の品評会。
活気があっていい!
DSC_5568
冬毛を刈られたハーフリンガー馬(チロル産のポニー)のお尻にハートが刈り残されていた。
愛嬌だね。(啓蒙だからね)
DSC_5592
またもや乳絞りダミーに引っかかる子供達。
DSC_5621
昼寝中のSattelschwein子豚。(これもドイツ産、英語ではサドルバックとも呼ばれる)
DSC_5665
Bio飼育では足元は藁、そして断尾もしないのよ。
※ 大型養豚場で豚の断尾をするのは狭い環境での飼育ストレスから来る「尾齧り」を防ぐためのただの対症療法、生後3日以内に麻酔なしで切り取られる。しかし、飼育環境を自然なものに変え、ストレスの原因を取り除くことで不必要な断尾は回避される。
DSC_5620
家畜から採れるウールの数々、手前からロバ(!)、アルパカ、ラマ、羊。
DSC_5625
原毛を洗って、紡ぐと毛糸が出来る。
昔ながらの手紡ぎの実演、子供達もそれぞれ自分たちで体験。
さてさて、再びアリーナに戻ると今度は馬のショーが始まっていた。
DSC_5687
ハンガリーの騎馬隊による歴史劇。
DSC_5708
アイスランド・ホースのデモンストレーション。
アイスランド・ホースは馬の中でもTöltと呼ばれる独特の特別な歩行をする珍しい品種、写真のように片側の前後両足が同時に出る。
そのせいか、乗り心地は極めて滑らか、まるでトイレに座っているかのようだ。
が、これはこれでけっこうなスピードが出る。
DSC_5715
ウェスタン・ライディングのデモンストレーション。
続いて、この日最後のプログラムはトライアルレース。
重量級の冷血種がワゴンを引いてコースを走り、タイムを競う。
DSC_5718
目の前を通り過ぎてゆく時に伝わる振動も楽しい。
見えるだろうか?ワゴンの両脇においてある赤いパイロン、その2つのパイロンの間を馬はワゴンを引いてゆかなければ減点となる。
DSC_5730
ロバは走る!というより、結構好き勝手なテンポでトロトロ。
やっぱり、ロバだ。
DSC_5734
トリはたてがみのゴージャスなSchwarzwälder種の引く時代物。
DSC_5677
アリーナの横で待機中だったSchwarzwälder種、前見えますか?
瞬く間に時間が過ぎて行った。
とまあ、メッセイベントのほんの一部を紹介したまでに過ぎないが、やはり「さすが農業大国ドイツ」と言わざるを得ない、そんな農業メッセだ。
こんなのが毎年1月後半に10日ほど開催される。
※ ちなみにドイツの肉製品自給率は100%を超える、肉製品の輸出国でもある。
今年は41万5千人の入場者でにぎわったこのメッセ、多くの人がこうして間近に動物を感じることが出来るのを見ていると、この国がどうして動物保護や自然保護に熱心なのか、そんなの当たり前のような気がする。
農業関係者、農業好き、動物好き、そして食に関心のある方はぜひ一度足を運んでいただきたい。
きっと、何かしらの感銘を受けるはず。
それがこのメッセの狙い、「啓蒙」なのである。
食を大切にするならば、その足元も大切にするべし。
Advertisements